NLPとは

NLPとは

NLPとは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略です。
NLPは、1970年代に、アメリカのリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが心理学と言語学をもとに体系化した人間のコミュニケーションに関する新しい学問です。創始者バンドラーとグリンダーは、当時アメリカで非常に優秀だった三人の天才的セラピスト(心理療法家)ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法のバージニア・サティア、そして催眠療法のミルトン・エリクソンの治療を研究し、それをモデル化してNLPを創りました。

人間は、「神経」五感=視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚と、「言語/非言語」による脳での意味づけによって、世界を認識したり、体験を記憶したりしています。神経と言語によってわれわれの行動は「プログラミング」されています。そして、プログラミングのとおりに反応し行動していると言われます。

この具体的な事例を「梅干し」の例でご紹介しましょう。目をつぶって、あなたの目の前に「梅干し」があると思い浮かべてみましょう。
できれば、梅干しの画像がより具体的になるぐらいが良いです。さて、口の中に唾液が「ジワ〜〜〜ッ」と出て来ましたか?
これは、「梅干し」=「酸っぱい」という 「プログラミング」が、これまでの体験の中でつくられているからです。このように人は、無意識のうちにプログラムに基づいて行動や反応を起こしています。

NLPでは、そのプログラミングの構造を科学的なアプローチも交えて学問的に明らかにし、さらにそれを組み立てなおす(リプログラムする)ことを可能にする実践的な方法を開発してきました。
NLPはアメリカで、ビジネスや教育、心理療法の分野で発展し世界中に広まりました。日本でも近年大きく広がっています。

NLPの発祥と発展

NLPの発祥と発展

1970年代米国カリフォルニア州サンタクルーズでNLPは誕生しました。
70年代のアメリカと言えば、長く泥沼のように続いたベトナム戦争が終結し、
ベトナムやアジア各地の米軍基地から兵士達が続々と帰還したときです。
平和な祖国に帰って、本来なら家族や友人達との再会を喜ぶときなのです。

ジャングルのゲリラ戦で敵を殺戮し仲間を失う毎日を想像してみてください。
明日の我が身の保証は何もない。生と死に直面する緊張で張り裂けそうなベトナムでの日々から一変して、故郷アメリカでは、 ものは豊かに溢れ、平和でのんびりとした時間の流れ、何もかもがあまりにも大きく違いました。
その結果、本国に帰還しても社会に適応できずにいる人々を大勢作り出した状態となったのでした。

同時にこの時期はさまざまな治療方法が実践され発達しました。
心理療法の発達にも目を見張るものがあります。

中でもゲシュタルト療法、家族療法、催眠療法はクライアントとの独特なコミュニケーション・スタイルの実践により、顕在化した問題だけでなく、その深層部にある潜在的な病巣へも言葉のメスを入れました。

この3つの心理療法の先駆者であり天才的な人々を、科学的に徹底的に研究し体系化することで、実践的なモデルとして作り上げて行ったのが「神経言語プログラミング」すなわちNLPです。

NLPはベトナム帰還兵やその家族の抱える問題の解決にも、驚くべき成果をもたらしました。それまでのどのセラピー手法よりも速く確実に病巣を見出して、しかもクライアント自身の治癒力や病気への取組みの意欲を高めることで、画期的な改善をもたらしたのです。NLPは瞬く間にアメリカ中のセラピストに広まりを見せました。NLPは時代の進展とともに進化を始めました。その理由のひとつはNLPの基本モデルのひとつである手法「モデリング」に起因します。
モデリングとは、人がうまくいく仕組みを独特の方法で解析して、それを他の人が会得できるように体系化することを言います。これがNLPは成功者の極意を伝授するツールと言われる由縁です。
やがて、NLPは治療から教育へ。そしてスポーツやアートの世界へも進出します。そして、80年代後にはビジネスにおける個人の成果達成支援や、コーチング、組織開発の基本戦略としても数々の成果を収めています。

また、NLPは英語から多くの言語に翻訳され、世界中に広まりを見せています。
これは、NLPが単にアメリカ人や英語という限られた文化圏に通用するということではなく、もっとユニバーサルに「人間にとって有効なツールであることの証明でもあるとも言えます。

インプレッション・
マネジメント

僕は無精ヒゲと 髪をのばして
学生集会へも 時々出かけた
就職が決まって 髪を切ってきた時
もう若くないさと 君に言い訳したね

▲「イチゴ白書をもう一度」 ※作詞作曲:荒井由実さん(現:松任谷由実さん)より

これは、1975年のヒット曲、バンバンの「イチゴ白書をもう一度」の歌詞の一部です。
インプレッション・マネジメントは「印象管理」とも訳され、コミュニケーションを取っている相手にどのような印象を持ってもらうのかをマネージすることです。この歌詞は、まさにインプレッション・マネジメントを表しています。就職が決まって髪を切る事は、社会人としてのインプレッション・マネジメントです。それだけではありません。実は、長髪に無精ひげは、学生集会における適切なインプレッション・マネジメントです。最後の「もう若くないさと 君に言い訳したね」という歌詞は、学生集会における仲間同士のインプレッション・マネジメントに失敗していることに対し、言い訳しているのです。
ここから、インプレッション・マネジメントとは、単に良いスーツを着たり、髪を綺麗にセットすることだけではないことがわかります。
CPIでお伝えしているインプレッション・マネジメントは、ファーストインプレッション(第一印象)とラストインプレッション(継続印象)で構成されています。
ファーストインプレッションとは第一印象の事であり、ラストインプレッションは、その人が去った後も残る印象のことです。それらの印象をマネジメントすることです。

インプレッション・マネジメント

ラストインプレッション・マネジメントを活用しているわかりやすい別の具体例は、選挙です。
「小泉劇場」と呼ばれた2005年の衆院選、最近では「小池劇場」と呼ばれた都知事選なども、非常にマネージされた印象を有権者に与えていました。

ラストインプレッションのもう一つ例をお話しします。「ジョブズ プレゼン 画像」というキーワードで検索すると、無精ひげで、黒のタートルネックそして着古されたジーンズ姿の彼を見る事ができます。実は、ジョブズは非常にデザインにこだわりを見せる人間性を持っており、新しい店舗を出店する時など、デザインや店舗のレイアウトが気にいらなければ、スタッフに徹夜で改善を求めるほどデザインや見た目に厳しい人でした。
そのような彼がわざわざ新製品のプレゼンで、無精ひげ、黒のタートルネック、ジーンズ姿になることによって人々に与えたい印象は「クリエーターとしてのジョブズ」であると言われています。

次の6つの項目が、代表的なインプレッション・マネジメントにおける要素です。

  • 服装
  • 表情
  • 姿勢
  • 行動
  • 言動
  • デジタル情報(メール、SNS、ブログ、ホームページなど)

これら6つの項目が、代表的なインプレッション・マネジメントにおける要素です。
私たちが社会で生きていく上で、他の人との関わりを持たずに生きていくということはできません。
他の人たちとのコミュニケーションをより円滑にしたいと思うのであれば、自分が相手に与える好印象を増やし、相手に嫌われるような印象をできるだけ回避する必要があります。

インプレッション・マネジメントは、コミュニケーションのコンテクストまたは状況に合わせて、コミュニケーションを円滑にするためのメソッドです。

インプレッション・マネジメントを使いこなす事によって、自分が入りたいグループや組織にスムーズに溶け込めます。
さらにCPIのインプレッション・マネジメントは、「自分らしさ」を探究する機会も提供しています。