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人生を変える実践心理メソッドコミュニケーションサイコロジーCPI Communication Psychology

初対面でも親しみを感じさせる方法

2019.03.18

 

ビジネスシーンなどで、初対面の人とコミュニケーションを取る時に、「この人は話しやすい」「何となくこの人はとっつきにくい」と感じることはありませんか?

また、初対面の人と会話をする時に「どのように話をしたら、相手との距離感が縮まるか」と悩むこともあるでしょう。

実際に「初対面なのに感じが良い」「親しみやすい」と感じる人も存在します。初めて出会う人に自分を信頼してもらい、親しみを感じるようなコミュニケーションが取ることで、初対面の緊張感から解放されます。さらに相手とより深い会話や、より良い人間関係が構築できるので、ビジネスシーンでは営業成績に直結する会話運びがスムーズに行うことができるのです。

ではどのようにすれば初対面でも親しみを感じさせることができるのでしょうか。

なぜあの人は交渉上手なのか?

ビジネスシーンにおいて、初対面であってもどんどん相手との距離感を詰めて交渉を上手くまとめられる人と、反対にどんなに饒舌に話しても、相手との距離感がつかめないビジネスマンもいます。同じ製品やサービスを説明しているのに、相手の懐に上手に入れるのはどうしてなのでしょうか?

ビジネスだけでなく、コミュニケーションは自分の気持ちや感じたものを言語で相手に伝えたり、受け取ったりすることが基本となりますが、言葉を巧みに使い分けている人や必ずしも饒舌な人がコミュニケーション上手な人とは限らないことがあります。

特に初対面の場合には、

「自分の伝えたいことが伝わっていない」

「何を話してもこちらの意図が全く伝わらない」

「自分が本当に聞いてほしいことより、相手は別のことが気になっているようだ」

と感じてしまうことが多いのは、相手とのミスコミュニケーションが起きていることに原因があります。

初対面では五感を使って相手の情報を判断している

ビジネスだけでなく人は初対面の人と会う時には、視覚、聴覚、体感覚(視覚と聴覚以外の味覚、嗅覚、触覚をひとまとめにしたもの)でその人から情報を得ようとしています。

・「視覚(Visual=)」から性別、年齢、顔の造作、表情、感情、など

・「聴覚(AuditoryA)」から声のトーンやスピード、抑揚など

・「体感覚(KinestheticK)」でその人の印象を感じ取れる本能的な情報など

例えば真っ赤な顔をして怒りの表情をしていれば、「クレームを伝えに来たのかも」と推測することができます。反対ににこやかな表情をしている人には「こちらの話を聞き入れてもらえそうだ」と感じることもあるでしょう。また早口の人は「急いでいる」「緊張している」などの印象を感じることもあります。他にも服が濡れていたら「雨の中歩いてきたのかな」、香水の匂いがきついと「苦手」「派手な人」などの情報を得ることができるのです。

こうした五感から得られる情報は、その人がどのような人物でどのような状況にあるのか判断できる材料となることが多いものです。しかしこのような五感を使って得られる情報や感覚といったものは、人によって優先順位が異なり、本能的な情報になるため個人的な主観にとらわれやすいことから、コミュニケーションに「ずれ」が生じることもあるのです。

そのため相手の情報選択の優先順位に合わせた対応をすることで、感覚だけに頼らないスムーズな会話運びができるようになるのです。


理想的なコミュニケーションとは

コミュニケーションの基本は、自己表現だけではありません。自分だけが一方的に相手に気持ちや情報を伝えても、受け取る相手によってはそれらの情報を十分に受け止めることができていなければ、コミュニケーションが上手く取れているとはいえないのです。

そのためには、相手に自分を表現しながら、相手の話を聞くことが大切です。さらに相互の情報をより良い形で交換できることで、問題解決や互いにとって望ましい状態が理解できるようになるのです。

コミュニケーションの基本は自分の感情や思考を伝えると同時に、相手の感情や思考を「受け取る」ことが重要なのです。そのためには相手が自分の感情や思考を「受け取る」、相手が思考や感情を自分に伝えようとする「意欲を引き出す力」が必要となってくるのです。

相手との距離感を縮めるラポールを形成する

心理学では相手との信頼関係を築くうえで「ラポール」を築くことが重要とされています。このラポールとは「相手との間に橋を架ける」という意味があります。ラポールを作るタイミングは相手からの情報収集を始める前がベストです。なぜなら相手と自分の間にラポールを架けることで、より相手から本音を引き出すことができるようになるからです。

ラポールが形成されることで、相手とのコミュニケーションに、信頼関係が生まれ、相手の気持ちに深く寄り添うことができるようになります。さらには相手の意欲を引き出すことができるようになるのです。

このラポールを作り上げるためには、テクニックを身に着けることが重要です。ラポールによって高いコミュニケーション能力を発揮することができるようになるのです。

★ラポールを作るための3つのテクニック

ラポールを形成する前にはこちら側が相手をよく観察することが大切です。相手の情報収集を行う時には、五感をフルに使って相手の言動を「観る」「聴く」行為に集中します。相手の言っている言葉だけでなく、「相手の本心や心の状態まで知る」という気持ちで聴くのです。「聞く」という行為は音が聞こえてくるのをキャッチする行為であるのに対し、この「聴く」という言葉は、「相手の言うことに注力する。意識を傾け、全身で情報を受け取る。」という意味があります。この「聴く」行為をすることで、相手は信頼してあなたに本音を語ろうとし、ラポールが形成されていくのです。

この「聴く」ことにはテクニックが必要とされ、ラポールを形成するためにNLPでは、大きく3つのテクニックがあると考えています。

 

●相手の状態に合わせる「ページング」

相手の呼吸の速さや動作、声の調子などを合わせることを「ページング」といいます。このページングが合うことで、互いに安心感や共感が生まれやすくなるのです。普段は無意識に行っている呼吸を相手に合わせることで、相手の感情や気持ちを受け取りやすくなり、さらに相手も受け入れてもらっているという状態を作りやすくなるのです。

例えば、急いでいる人が早口になっているのに、こちらがゆっくりとした口調で話すことで、相手は「手短に話そう」「なんだか調子が合わない」「イライラする」といった思考や感情を抱きやすくなります。反対にゆっくりと話している時に、相手の相槌が矢継ぎ早であったり、早口に対応されたりすると「急かされている」「落ち着かない」「ゆっくり話ができない」という印象を持つでしょう。

感情は自律神経と密接な関係を持っていて、焦っている人や起こっている人や心拍数が上がり、呼吸も短く速くなります。そのためこのような人とラポールを形成する際には自分が相手の呼吸を観察して、まず相手と同じ短い速めの呼吸をし、相手に合わせていくのです。そして少しずつ自分が相手を落ち着いた呼吸へリードしていくのがポイントです。この時には相手の感情やペースに巻き込まれないようにすることが大切です。相手と一緒になって焦る、また感情を高ぶらせてしまうとよいコミュニケーションを築くことができないからです。

 

●相手に一体感を感じさせる「ミラーリング」

ラポールを築くためのテクニックとして、「ミラーリング」があります。人は同じ行動をする人に親近感を覚えることがあります。対面で相手と話をしている時にまるで鏡に映ったかのように、動作や体の向きや姿勢、呼吸をすることで、無意識に一体感を感じることができるのです。例えば相手が腕を組んだら、自分も相手と同じように腕を組み、大きく呼吸をしたら、自分も同じタイミングで呼吸をするようにします。こうした行動を続けることで、相手は自分と心が通い合っているように感じるようになるのです。慣れてきたら、そっくりそのまま行動をしなくても大丈夫です。相手が大きく腕を上げたら、自分は指先を動かすだけでも効果が生まれます。

 

●相手とより深い信頼関係を築く「バックトラッキング」

「バックトラッキング」とは、相手の言葉を同じ言い方で返す手法です。会話の最中には相槌を打つものですが、「はい」「うん」だけでは、話している相手にとって「本当に私の言っていることがわかっているだろうか」「どの程度理解してもらえているか」という不安を持たせてしまいます。

例えば、こちらが「今日は暑いですね」と言ったのに対し、相手が「はい」という回答だけでは、会話がとぎれてしまうだけでなく、共感されているかどうかわからないという経験を持っている人もいるでしょう。「今日は暑いですね」という言葉に対して「暑いですね」という回答を得られると、その状況の共感だけでなく「自分の話を聴いてくれている」という信頼感が生まれやすくなるのです。それと同時に、特に初対面においては「この人には話をしても聞いてもらえそうだ」という印象を抱くことにもつながるのです。

バックトラッキングの手法には「相手の言葉をそのまま返す」だけでなく、「相手の話をようやくしてまとめて返す」「相手の使ったキーワードを返す」という3つの方法があります。これらのテクニックを状況に応じて使い分けることで、より強いラポールが架かり、深い信頼関係を築くことができるのです。

バックトラッキングを行う際には、まず相手の話を受け止めることから始めます。相手の話を聞いていないと、これらの手法を効率よく使い分けることはできないからです。苦手な相手であっても、「バックトラッキング」を意識することで、関係が改善することが可能となってくるのです。

これらの3つのテクニックを行うことで、ラポールを作り出すことができるようになります。ビジネスでは交渉が上手になり、相手との信頼関係がより深くなります。意識的に使うことで、上司や部下、取引先との信頼関係やコミュニケーションの構築が容易になるのです。


初対面でも親しみを感じさせるためには3つの代表システムを見分ける

相手との間にラポールが架かると、コミュニケーションが上手に撮れるようになると同時に相手の行動や反応、思考や行動のパターンがより分かりやすくなります。

人は五感でキャッチした情報を脳で分析してプログラミングされます。しかし、このプログラミングは個人の成育歴や癖などにより、個別に異なります。

先ほども述べたように、人は視覚、聴覚、体感覚から情報を得ようとします。これらの感覚を活用して物事を考えようとするシステムを「3つの代表システム」といいます。3つの代表システムは「視覚優位タイプ」「聴覚優位タイプ」「体感覚優位タイプ」のことを指します。

「視覚優位タイプ」は視覚を主に働かせて考えたり、話したりするので、目の前に何かがあるように話を進めます。そして「聴覚優位タイプ」は言葉や文章などを主に働かせて思考したり、話したりするタイプのことをいいます。3つ目の「体感覚優位タイプ」は触覚、味覚。嗅覚などを主に働かせて考えたり、話したりするタイプのことを指します。

人はどの感覚タイプも兼ね備えていますが、どのタイプをよく使うかによって感覚優位タイプを分けることができます。どの感覚が優れているとよいかという優劣は関係がありません。しかし、ビジネスシーンで成功している人は、すべての感覚がバランスよく備わっていることが多いことがわかっています。たとえ初対面であっても相手の代表システムをすぐに見分け、それに合わせたコミュニケーションを瞬時に使い分けることができる能力に長けている人が多いのです。


ビジネスで交渉上手になるためには

ビジネスシーンにおいて、とりわけ初対面の場合には、相手は緊張していることが多いものです。その緊張をほぐすために、これらの手法を上手に使って、相手との信頼関係を構築し、コミュニケーションを深めることが大切です。

初対面の場合、まずは相手の呼吸や会話にあわせて、自分も同じ速度で呼吸し会話をしていきます。しばらくこれを続け、少しずつ呼吸や口調を穏やかなリズムやペースにしていくのです。このように相手のペースから自分のペースへリードしていくことを「ペース・アンド・リード」といいます。出会ってすぐに相手のペースに合わせることで、ラポールが架かっていることから、自分のペースにリードしても相手が落ち着き、こちらのリードに導かれていきやすくなるのです。

しかし、この「ペース・アンド・リード」は相手を強引に自分のペースに引きずり込むのではありません。まずはラポールを架け、ページングやミラーリング、バックトラッキングなどを使いながら、臨機応変に相手があなたのリードに乗ってくるタイミングで自分のペースに、相手のペースに合わせる方が上手くいくなら、相手のペースに乗って会話を運ぶことが望ましいのです。

相手の状態を瞬時に見分けることを「カブリレーション」といいます。相手の表情や呼吸、声のトーンなどから相手の心理状況を読み取る方法です。

もちろん無意識に感じることができる能力かもしれませんが、「カブリレーション」を意識的に行うことで、「ペース・アンド・リード」の手法が活かされ、より深いコミュニケーションを構築することができるのです。

交渉上手なビジネスマンは、最初は自分の売ろうと思っている商品の説明を始めることはありません。話題の中で、相手の気持ちや思考を受け止め、相手が大切にしていることや、譲れないこだわりを引き出していくのです。こうした手法を活用しながら、相手の話を聴き、相手を受け入れることで、相手からの信頼感を得ることができるのです。

心理的手法を使って、初対面でも親しみを感じさせるようになる

ビジネスシーンだけでなく、近所づきあいや家族などの近い関係においてもこのNLPのテクニックは有効に活用することができます。

まずは相手のラポールを架けること、相手との信頼関係を築いたうえで、相手とのコミュニケーションを深めていくことが重要なのです。このような心理テクニックを使うことで、初対面であっても相手に親しみを与えることができ、人間関係を広げることができるようになるのです。


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