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悪い行動をとるのはあなたのせい?

2019.05.31

 

もし、『子どもが悪い行動をとるのはあなたのせい。』と他人に言われたらあなたはどの様に反応すると思いますか?
『母親(父親)として、こんなに頑張っているのに、こんなに口を酸っぱくして言っているのに、
私のせい?これ以上何をしたらいいの?』 という自分を責める声や、
『もう、これ以上できない』という自分の諦めの声が聞こえてくるのではないでしょうか。

私も子育てに一生懸命だった30代の頃だったら間違いなくそう思っていたでしょう。
「子どもの為に」という思いから、かなり厳しく子どもに接した子育てをしていました。

今回のコラムは改めて、子どもの悪い行動を分析し、果たして「誰のせい」でこれが起きているのかを検討していきます。
ここでいう「悪い行動」とは親を困らせる子どもの否定的な行動のこと言っています。

 

《目次》


1. 親がやりがちなこと

2. 肯定的意図

3. 孫の体験から見えたこと

4. まとめ

 

 


1.親がやりがちなこと

あなたは「お子さんの良いところ、うまくいっている事はなんですか?」
と聞かれたら、すらすらと答えられますか?
それとも、子どもが出来ていないところ、うまくいっていない事の方をすぐに思い浮かべるのでしょうか?

どちらかというと親は子供のできていないところ、間違いや否定的な行動に注意がいきがちです。

それはなぜでしょう。
改めて考えたことはありますか?
親は子どもが大人になって困らないように「今のうちに何とかしないと」という不安や強迫観念で子どもに接している場合が多く、子どもが否定的な行動をとっている時、親はその行動をやめさせよう、是正しようとします。
又は、いい学校を出て、良い会社に就職をし、出世して幸せになって欲しい、
だからこそ今テストで良い点を取って、今後間違わないように注意をします。

「えっ」と思うかもしれませんが、それは実は親の『愛情』が源となって、良かれと思ってする行動です。

親は子供たちが仲良く遊んだり、楽しく学校に行っている時は、
それが当たり前と思っていて、あまり注意も払わず、褒めることも少ないようです。

兄弟げんかを例にとってみましょう。

仲良く、静かに遊んでいる時は当たり前と思い、何も言わずほっておく傾向があります

しかし喧嘩が始まると一転、親は仲裁に入ります。
そして理由を聞いて親が何が原因か判断します。
たとえ下の子が悪かったとしても結果的に親は上の子に対して
『お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、、、、少しぐらい我慢しなさい』
など、聞き分けの良い上の子を我慢させたり
「お兄ちゃんだからあなたが悪い」と責任のありかを決めつけられることが多いようです。
これでは上のお子さんは余計に嫌な気分を引きずって兄弟げんかはより増えていきます。

このように毎回、子どもが喧嘩など否定的な行動をとった時だけ、
親が反応し続けているとどうなるのでしょう。子どもは親の注意引くために否定的な行動を取り続ける様になります。

大事なのは、子どもたちが仲良く遊んでいる時にこそ、
「お母さんはあなた達が仲良く遊んでいるのをみると嬉しい」とか
「弟の面倒を見てくれるから助かる」と本人に言ってあげることです。

肯定的な行動をとっている時、うまくいっていることに対して
あえて意識を向けてそこを褒める、承認する必要があります。

親が、うまくいっている時に子どもを褒める習慣が定着すると本当に不思議な事に
兄弟げんかも必然的に減ってきます。

学校もそうです。
最近では働いている忙しいお母さんも多いです。そして親は子どもが学校に行くのが当たり前と思っています。
問題がなければ、意識はあまり向きません。ところがひとたび子どもが「学校へ行きたくない」
と言い出すと「大変」と、親は突然意識を向けて関わるようになります。

子どもは否定的な行動をとった時に親が振り向いてくれたという体験を通して
無意識に親の愛情が欲しい時、愛情を確かめたい時に否定的な行動をとると注目が得られることを学びます。

良い行動をとるより、否定的な行動をとることで
親や周りの注目を集めるようになるメカニズムです。

実は子どもが元気に楽しく学校に通っているのは凄いことなんです!
最近の学校は忙しく、友達同士のもめごと、友達ができない悩み、授業が分からない、先生との相性、等、いろいろなことが待ち受けています。その中で子ども達が頑張っているのは凄いと思いませんか?
そんな当たり前の様に学校に行っている子どもは褒めるのに値します。
ぜひあなたのお子さんを褒めてあげて下さい!

 


2.肯定的意図

CPIが提示している前提の中に
『すべての行動の裏側には肯定的意図がある。否定的な行動の裏側にも肯定的意図がある』
というのがあります。これは、一見すると否定的な行動でもその裏側にも本人にとって肯定的な意図、意味があるということです。

良い行動の肯定的な意図は分かりやすいと思います。

【肯定的な行動の例】
ジョギングをするという行動の裏側には本人にとって『健康のため』、『自己成長』、『チャレンジ』、『達成感』、等、の肯定的な意図が考えられます。

ところが否定的な行動の裏側にも同じ様に肯定的な意図があるのです。一般的に行動そのものが悪いので、なかなか裏側の肯定的意図まで考えることはありません。

【否定的な行動の例】
人をいじめるという悪い行動の裏側には自分を見て欲しいという『人からの注目』、『愛情』、自分の方が相手より力があるという『優位性』、受け身でいじめられるよりは、自発的に行動する『自己防衛・プロテクション』、等が考えられます。

子どもによってそれぞれの行動に対する肯定的意図は変わってきますので、どれか一つに決めつけることは出来ません。その状況に応じて判断する、もしくは本人に聞くしかありません。

親、先生、大人としてやっていただきたいのは、悪い行動のみ見て判断するのでは無く、その裏にある肯定的意図を踏まえて、子どもと関わってあげてください。


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3.孫の体験から見えたこと

小学校一年生になった孫娘の桃子ちゃん(仮名)が些細なことでイライラして妹にあたるようになってしまいました。日頃よく話を聴いている母親もあまりに度重なると、イライラして、つい桃子ちゃんに怒ってしまうということが続いていました。

母親は学校の面談で、先生から「桃子さんは小学校に入って精いっぱい頑張っていますよ」という話を聴き、彼女が学校でいかに大変な思いをしながらエネルギーを使っていることに気づきました。
母親は「そういえば最近、私自身も怒ってばかりであまり桃子を褒めていなかったなあ」と気づき桃子ちゃんに対する対応を変えました。

イライラしている時には桃子ちゃんをそっと台所に呼んでギューッとハグをし、「ももちゃんが学校で精いっぱい頑張っているのを知っているよ。おねえちゃんとしてもよく妹の面倒を見てくれているよね」と彼女を思いっきり承認しました。

そして彼女が落ち着いている時に家族全員の前で
「ほんと、ももちゃんは頑張ってるよ。偉いよ」と伝えました。

「分かってくれる? 分かってもらえてうれしい!」と言って桃子ちゃんは落ち着きを取り戻し、
それ以来、妹にも優しくする様になり、家のお手伝いも始めたそうです。

イライラして人にあたる
という桃子ちゃんの否定的行動の裏側に「認めて欲しい」「私を見て」という肯定的意図が隠されていました。

親として気を付けなければいけないことは肯定的意図があるからといって子供の行動をなんでも許すということではありません。
悪い行動、暴力等はすぐにやめさせる必要があります。
大事なのは『なぜその行動をしたのか?』という追及ではなく、
その裏側にある意図を聴きだし、暴力では無く、言葉で伝える、コミュニケーションを取るという別な行動に変えることです。

 


4.まとめ

あなたはお子さんの良いところをどれだけたくさんリストアップできますでしょうか。
そしてうまくいっている時にどれだけ、良いことに注目しているのでしょう。

親の立場からして、あなたが子どもにがみがみ言ったり怒ったりするのは、実はその裏にある肯定的意図の『思い』や『愛情』があることがわかったのではないでしょうか。しかし、愛情だからといってこれではその愛情は言葉や愛情の態度で伝えない限り子供には伝わりません。

子どもが否定的な行動をとり始めたとしたら、

日頃、ダメ出しばかりしていないか…
出来ていないところばかりに焦点をあてていないか…
子どもの良いところが見えなくなっていないか…

親としてちょっと立ち止まって、自分を振り返る必要があります。

怒ったり、叱ったりしても解決しない時は裏側に肯定的意図が隠されています。
その肯定的意図をコミュニケーションで聴きだし、別な行動に変えていきましょう。
そしてうまくいっている時に褒める習慣を定着させていきましょう。

大事なのはお子さんの良いところを伸ばす方が悪いところを矯正するより効果的なのです。


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